そのギャップ、反則です。
映画『探偵ミタライの事件簿 星籠の海』主演 玉木 宏インタビュー
なんてカッコいい人だ。スタジオに現れた彼を見て、その場にいた関係者全員がそう思ったに違いない。
全身から放たれる色気。内面から溢れ出すオーラ。
Tシャツにサンダル履きというラフな出で立ちが、余裕のある大人の男の魅力を引き立てている。
玉木といえば、朝のNHK連続テレビ小説『あさが来た』での好演が記憶に新しいが、本人は至ってクールにこう話す。「通過点のひとつ」「作ったものは壊して、また新しいものを作っていかないと」――。
新作映画『探偵ミタライの事件簿 星籠（せいろ）の海』で見せる“新しい”玉木 宏に迫った。
撮影／平岩 亨 取材・文／新田理恵 制作／iD inc.
変人ふたたび。風変わりな脳科学者、どう演じる？
――『探偵ミタライの事件簿 星籠の海』の原作は、ミステリーの巨匠・島田荘司さんの人気小説「御手洗潔シリーズ」。作者、原作ファン、玉木さん、それぞれに主人公・御手洗潔（みたらい・きよし）に対するイメージがあると思いますが、どのように役作りされたのですか？
映画の企画が進んでいましたが、先にテレビドラマ（2015年3月放送）を撮ったので、御手洗の中身に関しては、映画もドラマもそんなに変わらず演じました。IQが高くて、変人で、ちょっと人間離れしたような、どこか無機質で感情の起伏があまりない人だと僕は解釈しています。たまに人間らしさも出てくるので、あくまでベースとしてという感じですが。ビジュアルは漫画（『ミタライ 探偵御手洗潔の事件記録』）に合わせて作っていきました。
――完成した作品を観て、どんな印象を持たれましたか？
島田さん原作の作品の魅力というのは、単に「事件が起きました、解決します」というものではなく、歴史をからめていたり、伏線をたくさん張ったりしている中で、ちゃんと答えにたどり着く面白さがありますよね。
――島田さんが玉木さんについて「御手洗潔を演じる俳優は彼しかいない」と絶賛されていたそうですが、何かお話はされましたか？
島田さんとは、テレビドラマの撮影に入る前に一度、映画の撮影の際にも何度かお会いしています。この作品シリーズの生みの親ですから、相当な時間と労力をかけて執筆されているので、御手洗がどうしても島田先生にかぶるんです。口調であったり、きっと御手洗はこういう感じなんだろうなと勝手にヒントにさせてもらいました。
――御手洗は難事件に出会うと喜びを感じる人間ですが、玉木さんも難しい課題が与えられるとわくわくするタイプですか？
わくわくしたとしても、あまり表に出すほうではないですね。新しい作品の撮影に入るたびに、毎回難しいなと当然思うし、迷いや不安があっても、あんまりまわりに見せないです。監督に「どうしたらいいですか？」と聞いたりはしますけど。きっと、みんなそうだと思います。不安を見せるというのは弱みを見せることなので。
――この作品を経て、役者としてステップアップできたと思う部分はありますか？
演じる上ではすごく難しい役どころだったと思っています。撮影が終わっても、やりきった感がないし、不完全燃焼な感じがする（笑）。それは、御手洗に感情の起伏がなく、完璧な人間だからこそ、撮影していても「これでいいのかな？」という感覚がずっとあったからなんです。
――感情がむき出しのほうがやりやすい？
そのほうが“やってる感”は出てきますよね。今回は、抑えた説明セリフのなかに彼のキャラクターを埋めこまなければいけない難しさがあって、それが成立しているかどうか、自分でもよくわからない。でもきっと、20代でいただける役ではなかったと思うし、30代だからこそいただけた役で、そこで難しいことにチャレンジできたのは意義のあることだったと思います。
「新しいものを作っていきたい」俳優業と向き合う真摯な姿勢
――『のだめカンタービレ』（フジテレビ系）や『あさが来た』、そして本作など、キャラの立った役柄を多く演じられてきましたが、俳優として、自分の名前以上にキャラクター名が前に出ることを、どのように考えていますか？
いわゆる自分というものが消されて、役を通して世間に広がっていくというのは、すごくありがたいことだと思います。そこを目指してやっている部分もありますし、観た人にとってそれだけキャラクターが印象的だったということ。役名で呼んでいただけるというのは、演じている最中は、すごくありがたいですね。
――その役のイメージは引きずりたくない？
いつまでもそれにとらわれていてはダメだし、作ったものは壊して、また新しいものを作っていかなければいけないと思う。当然、やっているときは全力で臨んでいますが、僕はどの作品も通過点のひとつにすぎないと思っているんです。
――今後やってみたい役柄は？
役柄というより、作品ありきなので、主演に限らず脇役でもパワーがあるものに出たいですね。主役は台本の中にしっかりとベースが描かれているので、脇役にくらべたら、正直演じやすいものだと思うんです。脇役ってちょっと歯抜け状態で、そのあいだも物語が進んでいるという部分がところどころ出てくるので、その“間”を自分で考えて埋めなければいけない。役と向き合う作業が多いのは、意外と脇役のほうだったりします。
――俳優としてのキャリアにおいて、もっと補強したいところは？
それはいっぱいあります。映像（での芝居）というのは誰にでもできるものだと思うんです。というのもリテイクがきくものですから。なので、俳優としてスキルアップできる場所は、やっぱり舞台だと思います。生のステージで頭から芝居を通して、何が起きても乗り越える。もちろん稽古期間も経てそこがあるわけですが、俳優自身が結託していないと難しい。
――では、舞台出演の機会も増やしていく予定ですか？
増やしたいですね。舞台での経験が還元されて映像のほうにも生きてくると思うし。もちろん、映像のほうに意味がないということでは決してありません。朝ドラのようにひとりの人物を生涯通して演じると、見えてくるものも違いますから。
オフの日こそインプット。好きなものを、好きなだけ。
――御手洗は謎があると居ても立ってもいられなくなるキャラですが、玉木さんがこれを目にしたらたまらないという、いまハマっているものを教えてください。
……ベビーカステラ、ですかね。
――ベビーカステラですか（笑）。
ベビーカステラを見つけたら、撮影や仕事の合間だろうと買ってしまいます（笑）。朝ドラの撮影で滞在していた大阪にもけっこう気に入っているお店があって、現場に差し入れもしていたんですけど、結局自分が一番食べていました（笑）。近所でも毎月縁日があって、ベビーカステラが売られているんですけど、タイミングが合えば行ってしまいます（笑）。
――もともと甘いものがお好きなんですか？
好きです。洋菓子でもおいしいものはたくさんあるけど、ベビーカステラは、シンプルで優しい味なのがいいですよね。安心感があるというか。
――わかります（笑）。玉木さんというと役柄の印象が強くて、実はあまり生活臭を感じなかったのですが、お休みのときは何をして過ごされることが多いですか？
家にいるよりは外に出て、友達と会ったり。仕事をしているときはアウトプットで「出す作業」をしているので、オフの時間は全部インプットにあてます。おいしいものを食べるのもインプットだと思うし、食事しながらの他愛のない会話から刺激を得ることもありますね。
――いまもソイラテを飲まれていますが、食生活にも気をつかわれているのですか？
そんなに気はつかってないですね。好きなものを好きなだけ食べるという姿勢は、ずっと変わってないです。節制しすぎるとストレスになるので、そのとき良いと思うものを飲んだり食べたりしていればいいのかなと。
――好きなものを飲んだり食べたりするぶん、ジムに通って運動したり…？
そうですね、休みの日はジムに通って体を鍛えています。文化系の仕事に見えるかもしれないですが、撮影現場はすごく体力を使うんです。
【プロフィール】
玉木 宏（たまき・ひろし）／1980年1月14日生まれ。愛知県出身。A型。映画『ウォーターボーイズ』（01）で注目を集め、フジテレビ系ドラマ『のだめカンタービレ』（06）で人気を確立。主な映画出演作は、『真夏のオリオン』（09）、『大奥』（10）、『聯合艦隊司令長官 山本五十六』（11）、『すべては君に逢えたから』（13）、『幕末高校生』（14）、『神様はバリにいる』（15）など。NHK連続テレビ小説『あさが来た』（15～16）が話題に。
■映画『探偵ミタライの事件簿 星籠（せいろ）の海』
6月4日（土）全国ロードショー！
公式サイト：http://www.mitarai-movie.jp/
這樣的差異性，是很不尋常的。
在電影『偵探御手洗事件簿 星籠之海』擔任主演的玉木宏專訪
為什麼是如此的帥氣的人。看著出現在攝影棚的他，相信在場的所有人都會抱持著這樣的想法。
全身散發著魅力，顯而易見的內在氣息。
僅僅只是穿著T恤及拖鞋，光是慵懶地站在那裡，便足以讓人感受到他那遊刃有餘、成熟男子的魅力。
提到玉木的話，在NHK晨間小說連續劇中精湛演出的記憶猶新，但他本人只是淡淡地說「只是另一個中點。」、「破壞既有的印象，不重新再突破是不行的。」
在新作品電影『偵探御手洗事件簿 星籠之海』中所呈現出嶄新的玉木宏即將來臨。
再次詮釋怪人，與眾不同的腦科學家，如何演出?
――『偵探御手洗事件簿 星籠之海』的原作，是由推理大師島田莊司所著人氣小說『御手洗系列』。我想不管是作者、原作的書迷、玉木、都對故事的主角「御手洗潔」有著不一樣的印象，你打算如何詮釋這個角色？
雖然拍攝的企劃正在進行中，不過先前已在連續劇中演出（2015年3月公開播出），關於御手洗這個角色的一切，基本上演出的方式不會太脫離連續劇所表現出來的樣子。有著高IQ、卻是個奇特的人，又有些超脫世俗，無論何時何地都展現出如機器般冰冷、毫無感情起伏的人是我對這個角色的解釋。電影的視覺海報是結合漫畫『MITARAI偵探御手洗潔事件簿』而完成的。
――看了完成後的作品，對它有著什麼樣的印象?
島田老師所著的原作，其作品的魅力，不單單只是「發生事件，解決事件」而已，而是挾著歷史，在許多伏筆與故事支線中，漂亮地對事件做了完美的解答而覺得有趣。
――島田老師好像曾說過「演出御手洗潔的演員若不是玉木就不行」而大大讚揚過，有被老師說了些什麼話嗎?
島田老師在拍攝電視劇之前曾見過一次，電影拍攝的時候也見過幾次。因為是這部系列作品的父親，花費了許多的時間與心血而寫下這部作品，島田老師應該也將自己些許的個性投射到御手洗這個角色的身上。說話的語調也是，御手洗應該是是這樣的感覺吧……我自己是這麼認為的。
――御手洗是一個遇到疑難案件會覺得喜悅的人呢，玉木你本身對於遇到困難的課題會感到開心的類型嗎?
即使開心，也不太會表現出來的吧。接到新作品的拍攝工作時，當然每次都會覺得很困難，也有過迷惘及不安，不過不會輕易的向周遭的人顯露出這樣的心情。有時也會聽到導演說「該怎麼做比較好?」我想其他的人應該也是這樣想。因為如果讓人看出自己的不安就等於是讓別人看出自己的脆弱。
――經過這次的拍攝工作後，覺得演員這部分有覺得更上一層樓的部分嗎?
在演出時，真的覺得這是很困難的一個角色。拍完後一點都沒覺得「完成了!」的感覺，反而覺得好像沒有完全發揮出來。(笑)
因為御手洗是個感情起伏平淡、完美的人，所以拍完後還會覺得「這樣真的可以嗎?」
――更感情化的詮釋方式比較容易嗎?
那樣的話「做到了」的感覺會比較強烈。這次，在說明破解案件的台詞中，如果沒有表現出這個角色個性中的冷靜與聰穎是不夠有說服力的，但演完後會去想，這樣演出他的性格是成立的嗎?其實自己都不是很清楚。
但就因為這個角色是二十幾歲時無法接觸的角色，就因為是更成熟的三十幾歲才能演出這個角色，那麼詮釋角色的困難之處就會覺得有挑戰的感覺。
「想做出更不一樣的作品」在演員這份工作中真誠的態度
――『交響情人夢』（富士電視）與『阿淺來了』、接著是這次的作品。演過許許多多的角色，身為演員，看到自己的名字前常會加上上述角色的名字，有什麼樣的想法?
我覺得，完全消除掉自己，透過演技而讓許多人覺得我就是那個角色，這是件令人感激的事。當然身為演員會以那樣的狀況做為目標，這也是觀眾對於這個角色的印象深刻的緣故。若被人呼喊了角色的名字，我想這是演出時被認同的一件事，非常地令人感激。
――不想被角色的既定印象給束縛?
如果一直安於現狀是不行的。我覺得「破壞既有的印象，不重新再突破是不行的。」。當然，在演出時盡全力的演出，我認為無論什麼樣的角色都只是通過其中一個中點而已。
――今後想挑戰什麼樣的角色?
與其說是挑戰什麼樣的角色，我覺得作品的內容更重要。不限於主演或者是配角，其實都可以發揮出角色的力量。主角是劇本中有仔細的描寫出人物的基本元素，相形之下，我覺得配角的演出就比較容易些。配角就像拔掉牙齒的感覺，在空著的地方用故事去彌補缺少的部分，但這個空間如果太投入賦與角色的個性也不行，配角意外的與其他角色配合演出的情況比較多。
――作為演員的演出經驗中，有想要補強的地方嗎?
那有很多都想去做喔。以影像(演出)而言，我覺得任何人都可以去演，怎麼樣都可以「重拍」。
所以我認為可以提高演技熟練度的地方，還是舞台劇。在舞台前直接演給觀眾看，在演出過程中，不管發生什麼狀況都要將戲演完。當然也要經過一定程度的排練，演員自己本身去憑空演出是很困難的。
――那麼，有預計要增加演出舞台劇的機會嗎？
是想要增加沒錯。我覺得在舞台演出所累積的經驗會讓拍攝演出技巧更加的栩栩如生。當然，這並不是說拍攝演出的方式是毫無意義的。像晨間連續劇這樣完整地演出一個角色的生涯，看到的事物也會有所不同。
休息的日子，只會用喜歡的東西去填滿
――御手洗是對於謎題不去解開會坐立不安的類型，不過，玉木是否也有看到某個東西會陷入的類型，可以告訴我們最近在熱衷什麼事物嗎?
……雞蛋糕…..吧。
――雞蛋糕是嗎（笑）。
不管是在工作或是外出攝影的途中，如果看到有在賣雞蛋糕的，就一定會買下來（笑）。在拍晨間連續劇而住在大阪時有很喜歡的店，雖然也有買去現場跟大家一起吃，結果自己是吃最多的，（笑）。賣雞蛋糕的店家大多會附近每個月的廟會出來銷售，有時間的話就會跑去買（笑）。
――原本就喜歡吃甜食嗎？
喜歡。西點如果好吃的話也會吃很多，但是雞蛋糕那種樸實柔軟的味道我很喜歡，覺得很有安心感。
――我能理解（笑）。不過因為你演出的角色給人過於強烈的印象，反而很難想像私下生活的樣子，休假的時候會如何度過呢？
比起待在家裡，更喜歡出門跟朋友聚會。在工作的時候其實是一種「表現」的情況，也就是將自己清空。所以休息時就是將清空的自己再全部填滿。吃好吃的東西也是一種填滿，也有那種一邊吃著飯，一邊說著沒營養的話而得到刺激的時候。
――直到現在，喝得下豆乳拿鐵嗎?吃的生活會特別注意什麼嗎?
倒是沒有費那麼大的精神去注意，一直都是吃美食的心態，這一點從未變過。如果太過於壓抑的話，到時再吃一些好吃的就可以了。
――大吃大喝後，再去健身房運動嗎…？
是的、休假時會去健身房透過運練身體。可能演員的工作看起來都很輕鬆吧，但其實攝影現場是會消耗大量體力的。
（hayashi 不負責任翻譯)
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